2008年6月3日火曜日

ふたつの親のタイプ

先日 仕事帰りの車の中でラジオを聞いていたら、非常に興味深い話がありました。 十代の息子を持つ母親がラジオ番組に電話をして、こんな話をしました。数年前、彼女の息子が廃校となった学校の周りで数人の友達と遊んでいました。そのうち その校舎の中を探検してみようと思いつき、立ち入り禁止のサインを無視して、中に入り込んだそうです。それが警察に見つかり、全員が補導されたいうことでした。 彼女は母親として 子供をなんとしてでも守らなければならない、と思いできる事すべてをして、なんとか息子が学校や警察から重い処分をうけないように計らったそうです。”母親として子供を守るのは当然と思った” と彼女は言いました。 数年後 その息子が 再度 無責任な行動で警察の世話になることに。彼女はラジオで ”今思うとあのとき 息子を助けずに、受けるべき処罰を受けさせておけば良かった。” と話していました。
ラブ エンド ロジックでは 親の中には大きく分けて二つのタイプがあると説明しています。ひとつは ”ヘリコプター型”。 ラジオ番組に電話をした母親もいわゆるこのタイプ。 基本的に子供をいかなる苦難や外敵から守ろうとし、それが親として当然の義務と考えます。救助隊のヘリコプターの様に、常に子供が困難な状況にないかどうかを監視して、危険が迫るとすぐにはしごをおろして、その苦しみの状況から子供を救い出すというもの。具体的な例では、子供が何か忘れたらがすぐに学校に届ける。 皆が持っているから、と言われればすぐに子供に欲しいものを与えてしまう。”自分の事はもう少し自分でしてほしい” と愚痴をこぼしながらも子供の部屋をせっせとかたずける、など。
もうひとつは ”軍隊型”。 このタイプの親は 親のいうことを聞いていれば間違いはないのだからということで、こうしなさい、ああしなさいと あらゆる場面でに指令を下します。その指令に従っているかぎり、子供の幸せは保証されると信じているからです。
どちらのタイプの親も 子供に否定的なメッセージを送っています。”ヘリコプター型”のメッセージは ”あなたは親である私がいなければだめ。自分で困難を乗り切れる力はないから、私が守ってあげる。” 軍隊型のメッセージは ”あなたが自分で考えて物事を決めるなんて無理。だから私が決めて あなたはそれに従っていればいい。” どちらのタイプの親も よかれと思ってしていることが、実は子供が責任ある人間として自立するための障害になっていることに気づいていません。 ラブ エンド ロジックの創始者であるフェイ氏と フォスター氏は 責任感のある子供の親ほど、”責任”という言葉を子供の前で口にしない、と言います。 では どうして 責任のある子供がそのような親から育つのでしょうか? それは そうゆう親達は、自分の子供の”考える力”を信じ、たとえ子供が間違えをおかして、辛い経験をしなければならなくても、その困難を通して、そこからまた一つ大きく成長する可能性を信じているからです。 子供が困難を経験するのを見ているのは親にとては 辛い事。 しかし そこで一歩さがって、優しくサポートしながらそれを見守っていくことで 子供にかけがえのない財産を与えていることを知っているからです。 経験を通して責任の意味を学んでいくわけですから ”責任感を持ちなさい。” と あえて言葉に出して言う必要がないのです。
あのラジオ番組に電話をした母親の子供も、きっと幼い頃から親に守られて、責任逃れを繰り返しながら育ってきたのでしょう。間違った選択をして 困難な境遇にあっても必ず親がそこから救い出してくれるという考えがどこかにあったはずです。 自分で考え、その結果がどうであれ 自分の行動に責任をもって生きるチャンスを 子供に与えなければ、そのつけは子供が年をとるに従って、大きくなるばかりなのです。

2008年1月14日月曜日

選択 その2

前回 子供に与える選択について、書きました。大人が与えた選択肢の中から選んでくれた時はいいのですが、では、もし子供が選ぶのに時間がかかりすぎる時はどうしたらいいでしょう。 そういう時は10秒ほど決める時間を与え、決められなかったら 『じゃあ、決められないようだから、お母さんが決めるね。』といって、親が決めてしまいます。(うちの子供は はじめは私が決める事もありましたが、そういう成り行きをしっているので、今は必ず自分で決めます。)それでは、もし どちらも嫌だと言った場合はどうでしょう。これもよくありがちなケースです。そういう時も 選択肢は変えず、時間内に決められない時は 親が決めてしまいます。 うちの子供の場合 何度か 『いやだー!』と 繰り返しますが、私の方も声のトーンを変えず、『AとB、どっちにする?』と繰り返し聞くうちにだいたい どちらかに決めてくれます。 例えば うちのこどもは ふだんあまり野菜を 食べたがらないのですが、うちでは他のたべものを皿にのせるまえに、野菜の選択をさせます。 グリンピースに するか、トマトにするか。 さやいんげんにするか、人参にするかなど。 反応はその時によって様々ですが、とにかく決めるまで同じ質問を よけいな事はいっさいいわず 繰り返します。 子供の方も、理屈が通らないと分かると だんだん すんなり 決めてくれるようになります。 親に決められるよりは 自分で決めようと思うようです。 (ちなみに 我が家では 野菜を食べてからではないと 他のものが食べられない事になっています。私たち大人も 同じ様に 野菜を先に食べてみせます。)こんなふうに できることに関しては幼い時から自分が考えて決めることで こうしたら どういう結果になるだろうと考える機会を与えられ、実際その結果を体験しながら成長して行くわけです。時にはその結果が思わしくないときもあります。 そんなときのお説教は 大禁物。 失敗したその結果から学ぶ事で十分。やさしく声をかけて 共感してあげましょう。 『どんな失敗をしても お母さんはあなたが 大好きだよ。』 ということを子供に知らせる事はとても大事な事です。 ともすると 私たち大人は あまりにも多くの事を子供のためだといって決めてしまいがちです。 子供に考えるチャンスを与えましょう。 失敗するチャンスを与えましょう。 子供が辛い思いや、失敗して落ち込む姿を見るのは親として辛いものです。 でも そんなことを繰り返して子供は成長して行かなければいけないのです。 大人になってからの失敗には 取り返しのつかないことがたくさんありますが、子供の頃の失敗は代償が少ないことが多いものです。 ラブ エンド ロジックでは 失敗による代償が少ない小さい時から自分で考え、正しい判断ができる、まさに生きる力とも言うべき力をつけてあげましょうと呼びかけています。