先日 仕事帰りの車の中でラジオを聞いていたら、非常に興味深い話がありました。 十代の息子を持つ母親がラジオ番組に電話をして、こんな話をしました。数年前、彼女の息子が廃校となった学校の周りで数人の友達と遊んでいました。そのうち その校舎の中を探検してみようと思いつき、立ち入り禁止のサインを無視して、中に入り込んだそうです。それが警察に見つかり、全員が補導されたいうことでした。 彼女は母親として 子供をなんとしてでも守らなければならない、と思いできる事すべてをして、なんとか息子が学校や警察から重い処分をうけないように計らったそうです。”母親として子供を守るのは当然と思った” と彼女は言いました。 数年後 その息子が 再度 無責任な行動で警察の世話になることに。彼女はラジオで ”今思うとあのとき 息子を助けずに、受けるべき処罰を受けさせておけば良かった。” と話していました。
ラブ エンド ロジックでは 親の中には大きく分けて二つのタイプがあると説明しています。ひとつは ”ヘリコプター型”。 ラジオ番組に電話をした母親もいわゆるこのタイプ。 基本的に子供をいかなる苦難や外敵から守ろうとし、それが親として当然の義務と考えます。救助隊のヘリコプターの様に、常に子供が困難な状況にないかどうかを監視して、危険が迫るとすぐにはしごをおろして、その苦しみの状況から子供を救い出すというもの。具体的な例では、子供が何か忘れたらがすぐに学校に届ける。 皆が持っているから、と言われればすぐに子供に欲しいものを与えてしまう。”自分の事はもう少し自分でしてほしい” と愚痴をこぼしながらも子供の部屋をせっせとかたずける、など。
もうひとつは ”軍隊型”。 このタイプの親は 親のいうことを聞いていれば間違いはないのだからということで、こうしなさい、ああしなさいと あらゆる場面でに指令を下します。その指令に従っているかぎり、子供の幸せは保証されると信じているからです。
どちらのタイプの親も 子供に否定的なメッセージを送っています。”ヘリコプター型”のメッセージは ”あなたは親である私がいなければだめ。自分で困難を乗り切れる力はないから、私が守ってあげる。” 軍隊型のメッセージは ”あなたが自分で考えて物事を決めるなんて無理。だから私が決めて あなたはそれに従っていればいい。” どちらのタイプの親も よかれと思ってしていることが、実は子供が責任ある人間として自立するための障害になっていることに気づいていません。 ラブ エンド ロジックの創始者であるフェイ氏と フォスター氏は 責任感のある子供の親ほど、”責任”という言葉を子供の前で口にしない、と言います。 では どうして 責任のある子供がそのような親から育つのでしょうか? それは そうゆう親達は、自分の子供の”考える力”を信じ、たとえ子供が間違えをおかして、辛い経験をしなければならなくても、その困難を通して、そこからまた一つ大きく成長する可能性を信じているからです。 子供が困難を経験するのを見ているのは親にとては 辛い事。 しかし そこで一歩さがって、優しくサポートしながらそれを見守っていくことで 子供にかけがえのない財産を与えていることを知っているからです。 経験を通して責任の意味を学んでいくわけですから ”責任感を持ちなさい。” と あえて言葉に出して言う必要がないのです。
あのラジオ番組に電話をした母親の子供も、きっと幼い頃から親に守られて、責任逃れを繰り返しながら育ってきたのでしょう。間違った選択をして 困難な境遇にあっても必ず親がそこから救い出してくれるという考えがどこかにあったはずです。 自分で考え、その結果がどうであれ 自分の行動に責任をもって生きるチャンスを 子供に与えなければ、そのつけは子供が年をとるに従って、大きくなるばかりなのです。